いつごろから立っていたか記憶にないが、平・小太郎町公園に裸婦像がある。すっくと両手を伸ばす躍動感あふれる姿で後年、赤堀信平作と知った▼当時、像の前には噴水付きの池があり、寒波の到来で凍りついたときには本紙に紹介されたりもした。今では同公園の整備とともにやや位置を移したものの、その優美な容姿は変わることはない。現在、いわき市内の街なかには、著名作家によるブロンズ像が数多い▼中でも、平・松ケ岡公園内の天田愚庵像やアリオス前庭にあるバイオリンを奏でる少女のモニュメントをご覧になった方も多いだろう。制作者は昨年、日展特選を受賞した彫刻家小瀧勝平さん。その作品を紹介する展示会が14日まで、植田町の八幡台やまたまやで開かれている▼会場のロビーには等身大の裸婦像をメーンにさまざまな作品が並ぶ。一角には托鉢姿の種田山頭火像もあった。小品だが凛とした放浪の俳人の姿に心引かれるものがあった。