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片隅抄

2011.01.29

 今年春の選抜高校野球大会で、離島の佐渡高校が初めて選ばれ、佐渡島の島民に喜びをもたらしたと大きく報道された▼春のセンバツは夏の選手権大会と比べれば地味な感は否めない。それはたぶん、選手権大会が灼熱の太陽と負けたら終わりの一発勝負に彩られた〝夏祭り〟のせいだろう。逆にセンバツは、いわきであれば支部大会で敗れても県大会で敗れても東北大会で敗れても甲子園のチャンスがある。さらに今回の佐渡のような21世紀枠もある▼夏の選手権大会が私立の強豪によって上位を占められる中、春のセンバツは全国の〝おらが村の高校球児〟たちに門戸を開いた郷土色豊かな大会になってきた▼県内無敵の聖光学院と真っ向勝負を挑むのが夏の選手権大会なら、組み合わせの運も味方にするのが春のセンバツだ。そのチャンスを生かして雪の離島から出場する佐渡の選手たちに注目したい。希望を捨てずに野球に取り組んでいれば、夢はいつかかなうのだ。

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