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片隅抄

2011.02.19

 帰宅途中に立ち寄るスーパーに鯨の刺し身が置いてある。加工されたベーコンではなく、刺し身であるところがうれしくてたまに買っていく▼子供のころ、親が行商に来た魚屋さんから大きな鯨の赤身の肉塊を買っていたのを思い出す。それをみそ焼きにして家族で食べたものだ。社会人になってからも、宮城県の捕鯨基地・鮎川の旅館で鯨のフルコースを食べる機会があり、感激した▼鯨は食用としてだけでなく、骨や内臓、ひげ1本に至るまで残すことなく利用してきたのが日本の文化である。いわき沖でも昔は捕鯨が行われていたことが絵巻に残っている▼反捕鯨団体シー・シェパードの日本の調査捕鯨船への妨害行為が危険だとして、日本は調査捕鯨をやめるという。悪いことでもしたかのように尻尾を巻いて逃げ帰るわけだ。ここでも日本の外国への弱腰ぶりが浮き彫りとなった。全く歯がゆい。単に鯨に対する日本の文化が崩壊するだけの危機的状況では、ない。

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