小名浜港に、8月29日、待望のカツオが初水揚げされた。残念ながら「小名浜港産」カツオを食することはできなかったが、待望の初水揚げだった▼本来は、地元の寿和丸船団が6月21日にカツオを水揚げしようとしたものの、買い手がつかないなどの事情で水揚げされなかった。期待された震災後初の水揚げは幻に終わった▼先日、小名浜機船底曳網漁業協同組合がまとめた報告書をいただいた。仲買人の感想によると、市内・県内では、わりと積極的だったという。だが、首都圏・県外での取引では「先方の担当者が電話にも出なかった」「出荷当日、1回は拒否された。何とかしなければとの思いで出荷した」など、仲買人の切実な思いがにじんでいた▼操業位置図や食品放射能分析結果を添付して出荷したにもかかわらず、首都圏・県外では敬遠されたという。風評被害の払拭は困難を極めるとは思うが「小名浜港産」の新鮮な魚介類が食卓に並ぶのを期待している。