地球の温暖化によって、日本は温帯から亜熱帯化しつつあるという話を耳にしたことがあるが、確かに夏になれば気温が体温を上回るのは当たり前になってきたし、何より雨の量が半端なものでなくなっている▼このところ、台風などで大雨になるたび決まって死者が出る。その数が10人を超えることはもはや珍しくはない。河川が氾濫して大規模な洪水が起こる。山間地では土砂崩れが発生し、被害が少なかった大都市でも機能がマヒする事態が出てきている▼先日、新潟・福島県境の国道49号を車で通ったが、阿賀野川沿いの国道では今も各所で復旧工事が行われていた。地震と津波で大きな痛手を受けたいわき市だが、台風による災害の対策も万全にしなければならない▼市街地を流れる川底の浅い新川を見るたびに、この川が氾濫を起こしたらどうなるのだろうかとゾッとする。「想定外」を言い訳にできないほど、自然災害が深刻になっていることを肝に銘じたい。
片隅抄