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片隅抄

2011.10.31

今、震災や原発事故によって、故郷を捨てざるを得ない人が多数いる。被災地の市民として、失ってあらためて知る故郷の大切さを実感している1人だ▼「ふるさとは遠きにありて思うもの(中略)帰るところにあるまじや」と歌ったのは室生犀星。逆説的表現の中に、故郷への深い思慕が滲む切ない詩だが、私たちの周りに存在する「元に戻らない故郷、帰れない故郷」を持つ人々の心もまた図り知れない▼先日、戦争で故郷を追われたリトアニア出身の老映画監督の言葉に触れた。「自分を揺るぎ無く持つことができれば、どこであろうと故郷になり得ると考えるようになった。その土地を知り、長く住めば、愛することもできるようになる」▼本意なく故郷を奪われてこその境地だろうが、こうして乗り越えざるを得なかった人生を思い、さらに気持ちは複雑だ。なぜなら被災者もいつかは必ず、この言葉を受け入れて生きていかねばならぬ日が来ると思ってしまうから。

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