先週末、県立高校入試Ⅰ期選抜の募集定員枠が発表された。来春に向け、いよいよ受験シーズン突入の感がある▼多くの生徒たちにとって、人生最初の関門といえる高校入試だが、今年は震災や原発事故が、学業面へ何らかの影響を及ぼしていることはいなめない。逆境に負けないでほしいと願うばかりだ▼そんな受験生に、逆境が必ずしもマイナスでないという話をしよう。「傷の付いたリンゴはうまい」ということが、ある本に書いてあった。傷が付けばリンゴだって、早く治そうと努力する。傷のないリンゴ以上に努力して、甘くうまくなるそうだ。傷が付いたのは不幸なことだが、それをプラスに転ずることもできるのだ▼さらに、他者に対するコンプレックスもまた、マイナスとばかりはいえない。コンプレックスは敗者意識であろうが、若いうちなら、それを糧に努力することで、道は開ける。目指すは「最後に笑う者」だという強い意志を持って、頑張れ受験生。
片隅抄