今回の大震災では、各地で消防団員の活躍がクローズアップされた▼それも生半可ではなく、自分の命と引き換えに人命救助や避難誘導に当たり、水門を守るなどした人たちが多かった。身近な例でも、混乱の中で住民のために給水給食に当たったり、行方不明者の捜索をした▼団員の帽子には〝VOLUNTEER FIRE CORPS〟と書かれている。CORPSは団。これに対し、プロの消防士は英語で〝FIRE FIGHTER〟という。会社員や自営業、農業など本来の職業をもつ団員たちはボランティアだが、今回の大震災では立派なファイターだった▼消防団は全くの無報酬ではない。出動手当や退職金という制度もある。昼夜を問わず火事や水害などで出動することはあっても、それはまれなことである。同じ集落の仲間同士、時には酒を飲みながら親ぼくを深めあい、地域のために貢献する。そうした消防団員が相変わらず少ないという。残念だ。