東日本大震災発生から1年を前に、楢葉町の犠牲者追悼式が4日に同町の天神岬スポーツ公園で開かれた。取材のため、バスに乗って現地に向かった▼警戒区域ということで、放射線量を心配していた。持って行った簡易線量測定器で測ってみると、到着した駐車場で毎時0・4~0・5マイクロシーベルト、式が行われた場所周辺で毎時0・6~0・7マイクロシーベルトだった。いわき市の自宅では、毎時約0・25マイクロシーベルト前後だから、思ったほど高くはなかった▼遺族らが思いを込めながら、まちが見下ろせる場所に桜の苗木を植えた。苗木には、将来町に戻り、手入れができるようになったときに誰の木か分かるようになのか、名前の書かれたタグがついていた▼震災発生当日の「3・11」には、いわきでも市や行政区、団体が主催する追悼式などが開かれる。犠牲になった人の冥福を祈るのはもちろんだが、震災や原発事故についてあらためて考えたい。
片隅抄