北上する台風18号が気になるが、あす29日は遠野高グラウンドをメーン会場にした第8回いわき遠野歳時記「満月祭」が開かれる▼秋の夕闇が迫るころから始まる同祭。いわき遠野和紙で作られた行灯がほのかな明かりを点け、周囲は幻想的な雰囲気に包まれる。天候が良ければ雲の合間から満月が顔を出す。ここ数年、足を運んでいるが一献できないのが残念▼会場は前回までの入遠野小から遠野高および周辺になったが、内容はバラエティーに富む。篠笛奏者のコンサート、地元青年団のじゃんがら念仏踊り、裏千家岩佐社中の茶席など。加えて開会式には、元巨人軍投手の江川卓さんが訪れる▼さて会場に接する地域には一時、ある作業員宿舎の建設案が持ち上がった。一方的な計画に住民は反発を強め、不穏な空気が流れたのも事実。最終的にこの案は白紙に戻ったが、住民意志に反し建設が着工されていたら、祭りの風景も変わっていたかもしれない。