修学旅行とは別に奈良・法隆寺を訪れたのは、20年近く前になる。宝物殿では、ガラスケースに収まった「百済観音像」を見ることができた。かたわらで、僧侶が観光客に像の説明をしていた▼「像の高さは2㍍9㌢あります」。思わず「ジャイアント馬場さんと同じですね」と言いかけたが、やめておいた。夢殿に安置されているもう1つの秘仏「救世観音」は公開時期に合わず、拝観はかなわなかった▼明治初期、この仏像を調査したアーネスト・フェノロサと弟子岡倉天心。寺側の抵抗にあいながらも、開扉を試み黄金に輝く観音像を発見したという。その近代日本美術の父をテーマにした映画『天心』が先月からクランクインしている▼天心ゆかりの六角堂付近でも先月、ロケが行われた。さて、20日から24日まで北茨城産の粘土を使った陶器を紹介する「五浦天心焼展」が磯原町の北茨城市民ふれあいセンターで開かれる。他県ながら親しみのある地域だ。