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片隅抄

2012.12.24

今夜はイブ、そして明日のクリスマスを過ぎれば、人もまちも一斉に、新年を迎える準備を加速させる。「24年は震災のせいで正月飾りをする気になれなかったが、25年は従来通り飾ろうと思う」―そんな言葉を幾人からか聞いた▼24年の正月は、震災で近しい人が亡くなったり仮住まいだったりで、飾るのを控えたケースも少なくなかった。そんな人々も、650日分の日薬のおかげで、心の平安を取り戻しつつあるようだ▼先日、しめ飾りを作る親子教室を取材した。それはもちろん、わらをよって作るのだが、太いしめ縄を作るには当然、わらの量も増える。そうすると、1人でよることが難しい。その際の講師を務めた男性の言葉が耳に優しかった▼「祖父母や父母、子が力を合わせ、家族の幸せを祈りながらより上げていくのが大事」。彼の横で小学生が、初めて手にする裏白や水引に興味を示す姿もほほえましく、穏やかな新年の訪れを祈らずにはいられなかった。

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