昨年の今ごろは震災の傷跡が至るところに残り、新年を迎える心の余裕はなかったが、今年は震災から1年9カ月が過ぎだいぶ落ち着いてきた▼今年は復興元年と位置づけられ、市内では復興に向けたさまざまな整備がなされた。それに合わせて休業していた店が、営業を再開したという明るいニュースも聞かれるようになった。四倉道の駅もリニューアルオープン。海開きも行われ、自粛ムードにあった各種イベントも復活した▼その一方で、原発処理の歩みは遅く、仮設住宅での避難生活も長期化の様相を呈し、被災者には疲労の色がにじむ。先の衆議院選で、各政党が被災地復興をマニフェストの中に盛り込んでいただけに、解決に向けて前進することを期待したい▼いずれにしても今年もあと6日で終わる。来年は復興元年ではなく、2年目に向けて大きく飛躍の年にしなければならない。併せて、読者の皆さんには明るい1年になることをお祈りしたい。
片隅抄