JR東日本が、東日本大震災と東電福島第一原発事故により不通になっている常磐線の広野(広野町)―竜田(楢葉町)駅間8・5㌔区間の来年3月の運転再開を目指すことが分かった。線路など鉄道施設の除染を進める▼楢葉町は、ほぼ全域が避難指示解除準備区域になっており、避難解除ともなれば町の復興には通勤や通学のためにも町民の足として鉄路は重要だ。この鉄路よりひと足早く国道6号は、一部車両が通行している▼医療機関での診療や物資搬入を理由とする避難者が許可制で通行している。抄子も墓参のために、中通り経由では2倍以上の時間と距離になるため許可を得たいが、これはだめ。もちろん被ばくのリスクは覚悟の上だ▼鉄路開通は大いに結構だが、肝心の原発はどうだろうか。汚染地下水の漏れが次々と明るみになる一方、核心個所には近づくこともできない。たとえ除染しても次から次と新たな放射性物質が降り注いでは、いたちごっこだ。
片隅抄