高速道路のサービスエリアやスーパーの駐車場で、障がい者でもない、足腰の弱いお年寄りでもない、ごく普通の人間が乗った車が、障がい者用または高齢者向けの駐車スペースに平然と乗り入れる光景を見かけることがしばしばある▼これにいちいち、「マナーが悪い」「不見識だ」と目くじらを立てるのは、今の世の中では「そんなことを言ったってアナタ…」と、逆にたしなめられてしまうのだろうか▼NPO法人セブンビーチファミリーのメンバーが行っている「ココロ」と題した障がい者用駐車場と点字ブロックに対して〝良心〟へ訴えるリーフレットを配る運動を見ていると世の中、見捨てたものではないと思った▼彼らは自分たちの希望をまだ純粋なココロを持ち合わせている小学生に託している。大人に今さら公徳心を訴えてもどうにもならないと思ったからだ。ただ、そのマナーの悪い車に小学生が同乗しているのを見ると、運動の難しさを感じてしまう。
片隅抄