昭和16年12月8日、日本は米英に対し宣戦布告。しかし、戦況は悪化の一途をたどり、同20年8月15日、日本の無条件降伏で戦争が終結した▼戦時中、国内では厳しい言論統制が敷かれ、ニュースは大本営発表。軍の管理化の下、国民に流される情報は、事実が歪められた軍に都合のいいものばかり▼今、政権与党の自民党は数に物をいわせ、今国会で「特定秘密保護法案」を成立させようする。国益が損なわれるような、情報漏えいを防ぐ法案であることは分かるが、その一方で、国家権力がこの法案を拡大解釈し、国民の知る権利が侵されるようことがあってはならない。衆院で強行採決までしてなぜ法案成立を急ぐのか。軍と今の政府が重なって見えるのは抄子だけか▼戦争中、ある程度の情報を秘密にすることもやむを得ないとは思うが、軍がもう少し情報を開示していたら、終戦が早まったかも知れない。同じ過ちを繰り返してはならないとの思いを強くする。