友は人生の財産―知命に至りあらためてそれを実感している。先ごろ、多感な中学時代を一緒に過ごした友と再会する機会を得た。卒業後の人生はそれぞれ、幾多の山谷を経ての再会にはひとしおの感慨があった▼「はしが転がってもおかしい年ごろ」には、20~30代までの青写真は描けても、その先の人生の折り返し地点以降までには思いが至らぬもの。が、実際を振り返ってみれば、年を重ね世間とのかかわりが深まるごとに、面倒事や悩みは増えてきた▼そんな中での久々の再会、深くなった笑いじわに刻まれていたのは、会わなかった時間に培ってきた強さと優しさだった。そんな年相応の頼もしさをたたえた顔を見合わせ、こんな再会ができるなら、年をとるのも悪くはないと胸が温かくなった▼今日は公立小中学校の入学式。希望と夢がいっぱいの新入生には、「一ねんせいになったら」の歌詞のように、多くの友達を得て心豊かな人間に育ってほしいと願うばかりだ。