千葉県市原市で登校途中の女子中学生が男に車で連れ去られそうになった事件は、たまたま別の車が通りがかったおかげで難を逃れたが、そうでなければ彼女の命がどうなっていたかわからない▼05年に栃木県今市市で下校途中の小学1年生の女の子が殺害され、犯人が逮捕されて間もない中での事件となったが、自宅と学校を結ぶ通学路が凶悪事件の温床になりかねない現状はとても深刻だ。いわきだって他人事と済ますことはできない▼広いいわき市には、テレビに映った市原、今市の事件現場のように、人通りのまれな通学路がいくつもあるはず。しかしだからといって、そこへ登下校時にパトロールの人員を毎日配置するのはそう簡単なことではないだろう▼街角のお年寄りによる見守り隊の存在は大きいが、どこにいるかわからない凶悪犯から子どもたちを守るための備えは、いわきで事件が起きる前の今こそ、関係者が協力し合ってアクションを起こすべきだろう。