「土用の丑」の午後、ある飲食店で遅い昼食を取った。もちろん、うなぎにあらず別メニューで我慢した。夏の風物詩に欠かせないこともあり、店内のテレビでは盛んに当日の模様を流していた▼そのうち、見ていた客の1人が「アナゴだ。アナゴで十分だ」とやけ気味に声を発したが、居合わせた誰も反応しなかった。ウナギとアナゴ、ぬるぬるした表皮、ひょろ長い容姿は似ているものの味、食感とも別物である▼夏バテ対策にPRされるだけに、タンパク質やビタミン、ミネラルなどが含まれ栄養価も高いウナギ。ならば少々疲れ気味のこちらも食する気になり、小売店をのぞいてみたがその多くは中国産▼世界的ファストフードの原料肉が深刻な問題になっている最中だ。過去にも冷凍食品で不祥事を起こしている。不信感も根強くあるため、素通りした。経済成長を背景に無理を通し、他国を平気で非難する。自国の反省の弁など聞いたこともない。