終戦から約20年後の昭和39年10月10日、焦土と化した日本が復興を世界にアピールした東京オリンピックから、きょうで50年がたった。そして同日、開会式が行われた。当時の記憶はまったくないが、前日は雨が降り続いていたという▼伝えられる見事な秋晴れも奇跡的な出来事だったらしい。今朝、産経新聞を広げるとオリンピック関連の復刻版が掲載されていた。10日付夕刊「世界をつなぐ〝東京祭典〟」「94カ国選手、堂々の入場」などの見出しが躍る▼24日付朝刊では「きょう閉会式」「日本の魔女金メダル」とあり、大松博文女子バレーボール監督の胴上げ写真が紙面を飾っている。国を挙げたイベントを伝える一方、こんな記事もあった。「臨時代理は置かぬ」▼病気療養中の池田勇人総理の進退にふれるもので、自民党と内閣の実力者3人が会談したとある。ほどなく後継首班をめぐり、政局が変動した。新聞とは埋もれた事実に再度光を当ててくれる。