先日テレビで、内田康夫原作の浅見光彦シリーズ「風葬の城」を見た。舞台は会津である。推理小説の十津川警部ものもそうだが、全国各地を舞台とした〝ご当地ドラマ〟といえる▼ストーリーが展開していく中で、知らない人は気づかなくても地元の人ならば「そりゃないだろう」と思う場面がある。西田敏行主演の映画『釣りバカ日誌8』はいわきが舞台となっているが、釣りを楽しみに来た浜ちゃんが最初に降り立った駅が末続だったりする▼「風葬の城」では、光彦が南会津の大内宿へ事件の有力証言をもつ女性に会いに行くが、「ちょっと待ってて」と指定されたのは車で1時間もかかる会津若松市内の御薬園だった▼いわきでロケをした映画「MARCHING―明日へ―」が今日からポレポレいわきで始まった。見慣れた風景が随所に出てくる。劇中では〝岩船〟という福島県の架空の町だが、震災からの復興をめざす町がどう描かれているか見届けてほしい。
片隅抄