あの手、この手を使いながら、巧みに現金をだまし取ろうとする「なりすまし詐欺」。これまで振り込みさせていた詐欺も、現金を直接受け渡しさせるなど、さまざまな手口で消費者を狙っている▼市内では先週、なりすまし詐欺の被害が相次いだ。被害額は840万円と200万円で、いずれも、現金の受け渡しによる被害となっている。このほか、現金を振り込む寸前で被害を免れた未遂事件も発生している▼5、6年ほど前になるだろうか。わが家にも、不審電話があった。「会社の金を使い込んだので、現金を振り込んでほしい」という内容。泣きながら電話をかけてきて、追い込まれた様子を見せる〝名演技ぶり〟だったという▼確かに、手口は巧妙化している。ただ、どんな電話であっても、今すぐに高額な現金が必要となるほど急な要件はないはず。「自分だけは大丈夫」などと思わずに、一度冷静に考え、誰かに相談するなどの対処法を考えてみてはどうか。
片隅抄