破天荒な役者人生を送った勝新太郎さん。長唄の名門一家に生まれ、のちに大映で映画俳優の道を歩むが同年代の大スター市川雷蔵の陰にかくれ、大部屋暮らしが続いたという▼出世作は極悪非道の盲人役を演じた「不知火検校」。このヒットをもとに、次の「座頭市」シリーズで不動の地位を得た。一連の作品を鑑賞するたび、不適切用語使用をあらかじめことわるテロップが流れる▼公開当時、当たり前のように使っていた言葉は現代ではそぐわないが、音声を切ってはストーリーがはっきりしないという側面もある。さて、こちらは映画とは全く関係ない郷土の偉人八橋検校▼生誕400年に当たる今年も近世筝曲の始祖をたたえる献花祭が平小太郎町公園で行われた。その昔、目の不自由な人が生活を送るには想像もつかない困難が伴ったであろう。そのハンディを乗り越え、名曲「六段の調べ」を遺した。五体満足であるならば、不平不満は見苦しい限りだ。