街にクリスマスソングが流れ始め、店頭にクリスマスツリーを置く店も増えてきた。そんな折、平の街なかを歩いていたら、熟年男女が子鍬倉神社の森の方を見上げていた。耳に入ってきたのは「赤や黄色に色づいた木々がきれい」といった内容の会話▼思わず同じ方へ目をやると、美しい紅葉や黄葉が見えた。さら松ケ岡公園にも同じ光景があった。松ケ岡公園といえば、桜の名所として広く知られており、自身も毎年春にはその咲き具合が気になり、朝に夕にと目を向けていたが、紅葉はというと、無頓着だった▼街なかだとこの時期は、きらびやかなクリスマスのイルミネーションに目が行き、そこに季節を感じることばかりが多い昨今。だが、季節の移ろいを知らせてくれる存在はほかにもあったと気づかされた▼自然の営みの中で、街なかの木々も紅葉し、そして間もなく落葉する。週が明け季節が少し進んだ感がある今日。そろそろ本格的な冬支度の時期になった。
片隅抄