「わたしも被害者の1人です」と自ら名乗り出てくれる人はいないだろうかと思っている▼なりすまし詐欺のことだ。最近は県内に限っても毎日のように新聞に事件のことが載っている。警察はもちろん、金融機関や消費生活センター、そして報道機関も「電話を信じてお金を送金したり、知らない人物に渡したりしないように!」と注意を喚起しているが、被害者には伝わっていないようだ▼犯行の手口が日々巧妙になっている点もあるが、これだけ世間で騒がれているのにどうして電話の主(多くは息子や孫、警察、税務署や銀行員など)を信じて送金してしまうのか。渡したあとで本人に電話して確認するケースも多いが、だったらなぜその前に確かめなかったのか、理解できない▼「だまされる方も悪いよね」と言うのは簡単だが、本人しかわからない事情があるのではと思うのだ。数百万円を失ったあとはどうなったのかも。被害者の声を予防につなげていきたい。