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片隅抄

2016.06.07

取材が重なり行けなかったが、市文化センター地下カフェ食堂で6月の土曜日に始まった〝学校給食フェア〟が大好評だという▼「撮影だけじゃなく実際に食べてみて」と若手記者に頼んだら、「食堂には10分前に着けばいいですよね」と高をくくっていた。(殊に年配の)市民の、子どものころ食べた給食への関心の高さを甘く見ているなと内心思ったが、案の定「人がいっぱい並んでて、着いたらもう売り切れでした」と反響の大きさに驚いていた▼昭和33年生まれの給食の思い出は、アルマイトの食器に注がれたアメリカ(ユニセフ)支給の脱脂粉乳のミルクに始まる。もともと家畜の飼料だけにまずかったが、栄養不足の当時の子どもたちには欠かせない牛乳がわりだった▼給食の話をしだしたら「昔はねぇ…」と語り尽くせない古い世代から見ると、今の給食の献立はまさにカフェのようだ。単に胃袋だけでない、市民の心にも味がしみわたるいい企画だと思った。

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