首都の首長を決める東京都知事選が近い。1国の財政に匹敵、あるいは凌駕する莫大な予算を抱え、その代表者は世界の顔としてもてはやされる。毎回の選挙ごとにいつもヒートアップ気味だ▼昭和54年、美濃部都政の継承に立候補した革新系の太田薫氏。夜の街頭演説中、投石され顔面流血しながらマイクで絶叫した姿を覚えている。その後、官僚出身の鈴木俊一氏の基盤が長く続いたのだが、与党幹事長が対抗馬を画策、都連を巻き込み混乱をきたした▼さて野党共闘の結果、擁立された著名ジャーナリスト。後出しじゃんけんなどと揶揄されたが抜群の知名度を生かし優位に選挙戦を展開すると思われた。ここにきて女性スキャンダルが報じられ、防戦は免れないだろう▼いわき市では9月に市議選、来年には市長選がある。勝つためには時に次元の低い手段が取られることも。子どもでもなく、大人とは言い切れない新有権者に対し、恥じない行動を希望する。
片隅抄