リオ・オリンピックの興奮冷めやらぬ間に今度はパラリンピックが始まった▼さすが国際大会、選手たちが障がい者であることを忘れさせるほどのハイレベルなパフォーマンスに舌を巻くと同時に、その一方でテレビや新聞がじつに多くの時間とページを費やして、選手たちの様子を報道している点でも驚いている▼広島の優勝がかかる今夜のような巨人戦だからゴールデンという時間帯で生放送するのだろうが、毎日どこかのテレビ局が必ず中継していたプロ野球が今や地上波ではめったに見られなくなったのと対照的だ。今までであればパラリンピックといえどEテレ(NHK教育)かBSなどでなければ見ることはできなかった▼障がい者の姿を多くの人たちが見て、その可能性に関心を寄せるいい機会だと思う。スポーツに限っていえば障がい者向けの体育施設の充実や参加できるイベントが増えることになる。そんな一歩が他の福祉の充実にもつながることを願う。
片隅抄