つらく苦しい受験勉強を乗り切り、念願の高校、大学への進学を決めた子どもたちにとって、この時期、新生活に胸をふくらませていることだろう▼逆に頭を痛めているのが親たち。特に、都会の大学に進む子を持つ親にとっては、何かと物入り。子どもの夢がかなったことを喜ばぬ親はいないが、入学金、授業料、生活費などを考えると、手放しで喜んでばかりはいられない▼日本政策金融公庫がまとめた、昨年度の教育費負担の実態調査によると、高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用は1人当たり945万円、あくまでも国公立を含めた平均なので、私立のそれも地方から都会の私大となると、さらに負担は増える▼国のズサンな行政運営や制度改革を見ていると、年を取っても働かねば生活できない社会が現実を帯びてきた今、子どもにかかる教育費の負担がズシリと肩に重くのしかかる。わが暮らしいつになったら楽になるのか、先が見通せないのが実情だ。