飲食店や公共施設などでの受動喫煙問題が叫ばれている昨今、「ホタル族」被害者の会が結成されたとの報道を目にした▼正式名称は「近隣住宅受動喫煙被害者の会」。マンションなど集合住宅のベランダでの喫煙で出る副流煙の被害に悩む人たちの会で、「ベランダ喫煙禁止法」の制定を目指すという▼「ホタル族」は、家の中での喫煙を拒否されたお父さんたちが、喫煙場所をベランダに求め、遠くから見ると、その姿がホタルのように見えたことから名付けられた新語だった。当時は、受動喫煙というよりは、部屋の中が汚れる、たばこ臭くなるといった意味合いが強かった。父親の威厳が失墜した社会現象というとらえ方だった▼現在、国では受動喫煙防止法案を巡り管轄の厚労省と自民党で、禁煙か、分煙の議論が平行線をたどっている。愛煙家の立場も守らないといけないというのが自民党の主張なのだろうが、東京オリンピックまでに法整備をしなくてはいけない。