年に数回、かつての先輩記者とはがきのみのやり取りをしている。他愛ない事象について一筆添えて送ると、必ずこちらの意とすることを理解した返信が来る▼先日もある出来事を発信した。昨日、かの先輩からこちらあてに郵便物が届いた。開けてみると、ナフタリン臭漂う中にあったのは、ポリ袋に包まれた本紙「昭和42年元日号」。今から50年前に発行された実物だった▼黄ばんでいる紙面からは「衆院選八候補で乱戦」「県会議員選挙の展望」、木村守江県知事、大和田弥一市長、本社社長の鼎談「県と新市をどう結ぶか」「新舞子に海の温泉計画」など、硬軟バラエティーに富む記事構成▼また、今では不可となる市議、県議らの名刺広告もにぎやかである。10年ひと昔どころか、その5倍の年月が過ぎている。現在の情報過多、手段などは当時とは到底比較できないほど進化している。大事に保管されてきた本紙から何が得られるか、しばし紙面を眺めている。