JRいわき駅背後の高台にある旧磐城平城本丸跡地を市が買い取り、公園として整備する計画が打ち出されたが、これによってシンボルの三階櫓再建の実現性はどう変わるのだろうか▼NHKの「ブラタモリ」で弘前城が紹介されたとき、天守の背後が映し出された。この城の造りは三階櫓で、豪華な破風が取り付けられた正面とは違い、財政難から裏側は破風のない質素な造りになったそうだ。その建築様式が絵で見た磐城平城の三階櫓を彷彿とさせた▼芝居の書き割りのような三階櫓の巨大看板は見せてもらった。でもやはり本物を見てみたい。天守閣を頂く名城・鶴ケ城が再建できたのは戊辰戦争で汚名を着せられた会津藩の意地と誇りがなせるわざだが、いわき市民の城再建への関心はどれほどだろうか▼書き割りでさえ1千万円。これが本物だとどれだけになるか。造ったら三階櫓をどう有効に活用できるのか、まずその議論から始めねば再建の意味はないだろう。