衆院解散が決定事項になる中、選挙に向け各党の動きが本格化している。特に小池百合子都知事を代表に担ぐ新党「希望の党」に話題が集中するが早い話、二股である。都政の激務を思えば荷が重いのでは▼古巣を離れた国会議員が参集するのはよいが親分たる者、配下の軍資金調達が条件。選挙は無手勝流で挑むわけにはいかないのだ。かつて自民党大物議員に河野一郎氏がいた。鳩山自由党の重鎮として吉田内閣打倒を果たすも、政権には手が届かなかった▼満を持して新党結成の動きを見せたものの、周囲の反対に遭い断念。歴史は繰り返し、長男洋平氏が時のロッキード事件を契機に自民党を離れ、新自由クラブを立ち上げた。新党ブームに乗り、昭和58年末には連立政権に参画するまで党勢を伸ばした▼一時の人気だけでは、政党維持は難しいものに思える。さて小池都知事が所属し、一時代を築いた「日本新党」ほどの盛り上がりがないのが気がかりだ。
片隅抄