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片隅抄

2017.12.28

年末にかけて、貴乃花親方の乱ともいえる騒動が大相撲界を揺るがし、連日のワイドショーを賑わしている中、一人のプロレスラーの引退ニュースがネットの片隅に報じられていた▼その名前は「ザ・グレートカブキ」。昭和の末期、プロレス界で、毒霧と称した緑色の液体を口から吐き出す異才のレスラーだった。記者として働き始めた頃だけに当時のフィーバーぶりはよく覚えている▼「高千穂明久」というリングネームでデビューしたが、アメリカへ戦いの場を移した時、より日本を意識したカブキのリングネームに変え、顔にペイントを施した。ヌンチャクを振り回し、毒霧を吐くスタイルはアメリカで定着し、日本に凱旋した▼リングを降りれば気のいいおじさんで、後輩レスラーの面倒見も良く、マスコミ関係者達からも愛される存在だった。昭和23年生まれの69歳。お疲れさまの一言に尽きるが、今、彼の後継者は見当たらない。昭和のプロレスが懐かしく思える。

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