先週、郡山市長が「たばこは嗜好品ではなく、薬物」と発言したことで、議会での追及を受けたとの報道があった▼医学的所見に基づき、受動喫煙から市民の健康を守りたいとする市長に対し、違法ではないたばこを薬物扱いし、生産農家、販売業者に迷惑をかけたとする議会側と平行線をたどっている▼東京オリンピックに向けて、受動喫煙に関しての法整備が進められているが、思うように進んでいないというのが現状のようだ。違法性がないたばこに対しての過度の規制は、関係各者の利益を侵害するというのが根底にあるようだが、国会議員の喫煙率の高さを考えたら、進まなくて当然という見方もある▼昨日、東京都では、従業員を雇う飲食店は原則禁煙という、国の基準よりも厳しい受動喫煙防止条例が議会で可決され、32年4月に全面施行される。国会での煮え切らない議論が続くなかの判断、評価に値する。そしてこれが、全国的に広まることを願うばかりだ。
片隅抄