日立市では今、日立銅山を舞台にした『ある町の高い煙突』の映画公開、45年ぶりという秋の「いきいき茨城ゆめ国体」では体操・新体操、卓球、軟式野球、バスケットボールを開催、市役所新庁舎落成などにぎやかだ▼国道6号に面して立つ白亜の新庁舎。斬新なデザインだなと思っていたら、設計に当たったのは同市生まれの世界的女性建築士の妹島和世さんだった。〝建築士のノーベル賞〟ともいわれるプリツカー賞を日本人女性としてただ1人受賞した人だ▼彼女はまた、JR日立駅のデザイン監修にも当たった。全面ガラス張り。駅東側の窓一面には太平洋が広がり、水平線から朝日が昇る様子が見える。眼下では海の上を走るような気分になれる日立バイパスが通っている▼それに比べて今のJRいわき駅の素っ気ないこと。どこに〝いわきらしさ〟を見いだせばいいのだろう。磐城平城の櫓を造るのなら、その風情をこの駅舎に盛り込めばよかったのにと思う。