16日は「敬老の日」だった。平均寿命が年々更新され、日本は世界でも有数の長寿国になった▼元気で長生きする高齢者が増えることはいいことだが、一方で高齢ドライバーの運転ミスが原因での交通事故が社会問題になっている。全国で高齢ドライバーの事故が相次ぐ中、高齢者に対し運転免許返納や運転年齢に上限を求める声が、ネット上で高まっている。警察でも免許返納を促してはいるが、思うような成果は得られてはいない▼背景には、都会と違って公共交通網の整備が遅れている地方では、免許を返納してしまうと、これまでのように買い物や通院など、気軽に行けず不便な生活を強いられるようになるからだ。地方では免許返納を勧めると同時に、交通網の整備も重要な課題になっている▼21日から秋の全国交通安全運動が始まる。交通事故はだれもが加害者・被害者になりうる。まずは一人一人が交通ルールとマナーを守ることを心掛けよう。