NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(はなし)~」がきのう第47回で終了した。初回から低視聴率が続き、とうとう挽回はならなかったが内容自体は悪くなかった▼通常、この番組は歴史ものが多く現代劇は受けないといわれる。もっとも主人公が金栗四三さんか、東京五輪の誘致に努めた田畑政治さんなのか、やや曖昧感は残った。放送中の配役にも薬物逮捕、税滞納でみそが付いたのも痛かった▼低視聴率と批判ばかりでも始まらない。時代考証はよく、女性初のメダリスト人見絹枝さんの活躍はじめ、プロパガンダの嵐が吹いたベルリン大会、東京五輪直前のアジア大会など国際政治の舞台裏も興味深かった▼来年の本番まで200日あまり。かつてのモスクワ五輪では西側国のボイコット、次のロサンゼルスでは東側国のお返しと、世界情勢に翻弄されもした。さらに心配なのはテロ対策である。ミュンヘンの悲劇を忘れることができない。
片隅抄