司法の重要人物を巡り、騒ぎが大きくなっている。人事における政権側の陰謀やらと、新型コロナウイルス報道に次ぐ扱いである▼さらに週刊誌によれば、外出自粛要請にかかわらずこの人物と2社の新聞記者らが賭け麻雀したという。両紙とも日頃、イデオロギーを鮮明にした紙面づくりをしているが、現場サイドでは同業他社でありながら良好な関係のようだ▼社会の木鐸とする者が渦中の人物と遊興にふけっているようでは、世論の批判も免れないが一般的に取材する側、される側の密度は濃い方がよい。互いに気心も知れれば、スムーズに事が運ぶがそのぎりぎりの線引きが問われる▼かつて沖縄返還にかかわる外務省機密漏えい事件があった。担当女性職員と新聞記者がある境界を越え、情報がリークされるなど、長らく知る権利の存在意義が問われてきた。それにしても男子の遊びも現在では多岐に及ぶが、今回の麻雀騒動に接し、「昭和」を懐かしく思った。