「五輪、簡素化を検討」今朝の新聞のトップ記事が気になった。新型コロナの影響で、1年延期が決まった東京五輪。開催に向けて、大会の簡素化の検討に入ったというもの▼競技自体の縮小等の簡素化ではなく、開会式等のセレモニー、観客数の見直しなどの簡素化を図っていくというものだった。世界的に新型コロナの終息が見出せない状況で、中止の判断も現実味が帯びてきた中の苦肉の策とも言えるが疑問も残る▼東京五輪が決定した時点での日本はまだ、東日本大震災の復興途中。復興五輪だと政府は言うものの、多額の資金を投入することへの批判も多かった。そして今回の新型コロナの影響での開催延期。その猛威は終息の兆しも見えない。政府の焦りがうかがえる▼誰のための大会なのかを再考する必要がある。意地を張っている場合ではない。ワクチンの開発には2年かかると言う。今、国の威信にかけて行わなくてはならないのは、五輪ではないはずだ。
片隅抄