昨日23日は「沖縄慰霊の日」。第二次世界大戦末期の昭和20年、沖縄は本土防衛の捨石とされ、米国との間で激しい戦闘が繰り広げられた▼日本軍には多くの民間人も交じり、戦いは3カ月にも及んだ。日米合わせて約20万人もの戦死者を出して沖縄戦は終結した。敗戦から75年が経ち戦後生まれが8割を超える今、沖縄戦の惨禍は記録や資料以外では知ることが難しくなってきた▼今年の沖縄全戦没者追悼式は、新型コロナウイルスの影響から規模を縮小して行われた。県民がそれぞれの場所で犠牲者を悼み、玉城デニー沖縄知事が県民を代表して、世界に向け平和と反戦へのメッセージを発信した▼そんな中、唯一の被爆国として核兵器廃絶を訴え続けてきた日本は、国連の場で「核兵器禁止条約」に不参加を表明し世界中を驚かせた。禁止条約を批准しないばかりか、安倍政権は平和憲法改正への動きを加速させている。この国が再び戦火を交えないことを願いたい。