もうじき約310万人もの尊い命が犠牲になった太平洋戦争の終戦記念日▼戦後75年が過ぎ経験者が少なくなっていく中、残酷さ、愚かさをどうにか戦争を知らない世代に伝えられないか試行錯誤は続くが、太平洋戦争からさかのぼること80年ほど前、本市が戦場となったことも忘れてはいけない▼今日11日は旧暦で6月22日。慶応4年6月22日は、勿来の九面で奥羽列藩同盟軍を下した新政府軍が次の標的を泉藩に定めて北上している最中か。戦いは泉城攻防戦、激戦の小名浜二ツ橋、中之作の戦へと続いていく▼神谷陣屋のような勝者の歴史も残るが、多くの藩士が無念の死を遂げたことを記憶にとどめることも、後世に残された者の使命だ。平長橋に奥羽出張病院を開設し敵味方関係なく治療に専念した政府軍医関寛斎しかり、磐城平藩の浪人で新撰組に与した田村銀之助しかり、8月は戊辰の役の戦死者の鎮魂とともに、命を賭した先人に想いをはせる月にもしたい。