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片隅抄

2020.9.8

旧磐城平藩の本丸御殿跡の一部と推測される遺構が発見され、研究者や歴史ファンのみならず市民の関心を集めてる▼本殿は戊辰戦争で政府軍に攻め立てられ、藩士が脱出する際に焼失。当時の絵図は最後の藩主を務めた安藤家などに残るものの不明な点は多く、見つかった遺構もどの箇所か詳細は分かっていない▼発見された礎石などの保存状態は全国を見渡しても良好で、大変貴重だという。焼失後は一時仮藩庁として土地活用されたが、後に複数人の私有地となり大規模な開発がなされなかったことが幸いした▼行政指定の史跡とするには全容を把握した上で歴史、学術的価値の高さを公にする必要がある。本丸御殿の再現が理想だが、それは現実的ではないだろう。では同所に建設する体験学習施設の一部床面をスケルトンにし、遺構を見学できるように工夫をしてはどうか。デジタル化もいい。いずれにせよ市民の〝宝〞として、教育、観光資源に役立ててほしい。

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