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片隅抄

2020.11.17

古関裕而をモデルにした朝ドラ「エール」の収録が先日、クランクアップした▼27日で本編は最終回。佳境に入り第22週「ふるさとに響く歌」では、福島を舞台に裕一の親友村野鉄男、弟浩二にスポットを当てた物語が描かれた。古関の生誕110年を記念した「あなたが選ぶ古関メロディーベスト30」で1位に輝いた名曲「高原列車は行く」が印象的に使われ、思わず涙腺が緩んだ読者も少なくないだろう▼抄子が最も印象に残ったのは凄惨なインパール作戦の一端を描いた第18週「戦場の歌」。母方の祖父は南方へ出征中に銃撃を受け、その後マラリアを発症、帰国に就いた翌日に所属部隊が全滅するという壮絶な経験をしており、ふさぎ込む裕一に祖父の姿を重ね、心が痛くなった▼戦時歌謡「露営の歌」の歌い手のひとり、いわき出身の歌手霧島昇が描かれなかったのは仕方がない。久之浜一小の校歌が作られた経緯など、いつか霧島目線で“裕一”を見たいものだ。

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