年が明けても、新型コロナの感染拡大に歯止めがかかない。年末年始、旅行や初詣などの恒例行事を取り止めた読者も多いはず。市内の感染確認もとうとう100人を越えた▼昨年暮れ、SNS上でコロナ感染のアイドルグループのメンバーに対し、中傷とも取れる投稿が合ったという。マスクや手指消毒などを徹底し、感染防止対策に万全を期しても感染の恐れがある未知のウイルス。心無い言葉をしかも、匿名で誹謗中傷するなど言語道断だ▼「『おまえは間違っているだろう』という気持ちで制裁し、『自分は正しいことをしている』と感じて得られる快感がある」。東日本国際大特任教授で、脳科学者の中野信子さんは著書「ヒトは『いじめ』をやめられない」でこう綴っている▼一般の陽性確認はすべて匿名で当事者のプライバシーは原則、守られている。それでも何らかの手段で特定し、中傷する。恥ずかしげもないこの行為。コロナよりも悪質に思える。