震災後、60、70代の大先輩たちのご厚意で有機農法で米をつくる市民団体の一員に加えていただいている▼団体は無農薬への強い関心から発足したが、抄子が稲作を志したのは原発事故に伴う風評被害。本県産に対する心無い誹謗中傷が続く中、安心安全な農作物を自ら作り見返してやりたいとの思いを強くしたからだ。アクアマリンふくしまの協力を得、土壌検査を実施。セシウムの移行係数などを分析して安全性を確認、本紙で周知したが、残念ながら市外への発信力は足りなかった▼長寿番組「鉄腕DASH」。人気グループTOKIOは浪江町に村を興し、事故後は本県に寄り添い〝農産物の今〟を発信してくれた。彼らの貢献度は大変高く、本県の農家にとっては恩人ともいうべき存在だ▼今季は福島市ではなく、より原発に近い葛尾村で米を作付けするという。開墾の苦労や食味だけでなく、科学的な裏付けを取るなどし、安全性についてもアピールしてほしい。