引っ越しは業者に任せるもの。いつごろからだろうか、放送されるCMの多さからも一般家庭の引っ越しまでそれが当たり前になっている▼抄者が学生時代を過ごした昭和末期、三度の引っ越しを経験したが、業者に依頼したことは一度もない。レンタカーを手配し、友人の手を借り大汗をかきながらの引越しは一大イベントだった。節約のためだったが、友人たちとの打ち上げで飲むビールの味は今でも忘れられない▼先日の社告の通り、小社は再開発に協力する形で今週末に引っ越しを完了し、来週から新天地での新聞制作となる。引っ越しは、業者に依頼するのだが、できるだけ自前でと言う考えがあるため、社内は慌ただしく、荷物で足の踏み場もない状態だ▼お金をかければなんでもやってくれる便利な時代だが、果たしてそれでいいのだろうか。かつて引っ越しで汗をかいた後に飲むビールが美味しかったように、事務所の移転でも同様な達成感があるはずだ。