任期満了に伴ういわき市長選では、新人の内田氏が現職も含め他の候補を圧倒する形で勝利した。しかも当選者以外は法定得票数に達していないというおまけ付きだった▼現職は有利とされる地方の首長選挙でこれだけの大差がついた選挙、いったいそこには何があったのだろうか▼一昨年前の台風による水害、そして、昨年からのコロナ対策。確かにその対策に不備があったのは事実だろう。ただ、それを市長の失政と断定されては、気の毒な気もする。ただ、有事に対しての判断、そして決断力は首長に求められる最大の能力ともいえよう▼災害が起きると、政治家たちは、作業服に着替えて、対策会議をする映像を目にする。きちっとアイロンかけされた作業服は必要あるのだろうかといつも思う。そのまま現地に出向き、泥だらけになって作業するなら話は違うが現実は違うようだ。新市長には市民と共に汗をかき、いわきの将来のために力を尽くしてほしい。
片隅抄