平成25年7月22日。震災からの復興を祈念し、「マツダオールスターゲーム」の第3戦がいわきグリーンスタジアムで行われ、1万8365人の大観衆が球場に足を運んだ▼大粒の雨が降り始めた八回。その視線は期待のルーキーのバットにくぎ付けとなった。1点を追う全パは1死三塁とし、当時、北海道日本ハムの大谷翔平が打席に立った。追い込まれながらも、大谷は真っすぐを強振。打球は前進守備の二遊間を抜け、三走が生還して同点、さらに自らも決勝ホームを踏み、全パの勝利に貢献した▼いわきのファンの心をつかんだ大谷は海を渡り、メジャー4年目の今季、打って46本塁打、投げては9勝と〝二刀流〟で席巻。日本人初の満票MVPに加え、「リアル二刀流」「ショータイム」が流行語大賞・年間大賞を受賞した▼コロナが落ち着き、県高野連は小、中学生を対象とした野球人口拡大事業に本腰を入れる。いわきから〝第2の大谷〟は現れるか。