先日、大学の同級生との「プチ同窓会」のため上京した。指定された会場は渋谷の居酒屋で、恵比寿寄りのちょっと繁華街から離れたところだった▼再開発が進んでいるらしく、かつての面影はほとんどない街に変化していたが、学生当時は近隣に住んでいたこともあり、とてもなじみの深いところだった。もちろん遊びの場でもあったが、小遣いの大半を費やすレコードを買いあさる場所でもあった▼3割ほど安い輸入盤専門店をはしごし、ジャケットのデザインで買う「ジャケ買い」など、今思うと無謀とも思われることをやっていたものだ。アナログ文化は再燃してきたとはいえ、思い出のレコード店は閉店していたが買い集めたレコードは5百枚ほどになっていたはず▼プレーヤーを買い、実家に置いたままのレコードを引き取ってきた。針を落とすとプチプチと独特の音が妙に懐かしく、そして聞いていた頃が鮮明によみがえってくる。デジタルでは味わえない感覚だ。